スティーブ・ジョブズ氏、デニス・リッチー氏 死去の報に触れて思ったこと。

スティーブ・ジョブズ氏が先日お亡くなりになり、
昨日また、デニス・リッチー氏がお亡くなりになりました。
お二人とも、間違いなく人類史に残る仕事をした方です。


ジョブズ氏はコンピュータがべらぼうに高額で個人で所有するなんて不可能、
そう思われていた時代に、「パーソナルコンピュータ」という概念を具現化して、
世界にプレゼントしてくれました。

私はAppleファンではありませんが、ジョブズ氏のこの業績がなければ、
私のような所得層が自宅でプログラミングを楽しむなんて時代も来てなかったかもしれません。



リッチー氏は、UNIX(私の大好きなLinuxのアイデアの元になったOS)
を記述するために生み出された「C言語」の発明者です。

プログラマであればハッカー界小史を読むと、
リッチー氏がC言語を生み出した後の世界における影響の巨大さが分かるかと思います。
是非ご一読を。


C言語は趣味の俺様言語インタプリタ作るときには散々お世話になりましたが、
私ほとんど業務でC言語を使用したことはないです。
恥ずかしながらアセンブラの知識も机上で知る程度の浅さです。
Cのコンパイラの構造に造詣があるわけでもないですのでC言語を語れたものではないのですが、

それでも最もアセンブラに近くてパフォーマンスがよいにも関わらず、
人間がそれなりに素直に読める構文を提供してくれるというだけでも、
言語としての存在意義というかコンセプトが光るよなぁと思います。

C言語がなかったら・・・未だに世界はアセンブラでシステム構築しているかもしれません。


ちなみに、UNIXを作り上げたのはケン・トンプソン氏で、
そしてトンプソン氏がUNIXを作り始めた動機は・・・
なんと「Space Travel」というゲームがしたかったからだそうですw
そして彼と同僚だったリッチー氏は、アセンブラの世界から脱出して、
UNIX上でより生産性の高いツールが欲しかった為にC言語を発明しました。


ジョブズ氏もリッチー氏も、自分が欲しいモノを突き詰めていった結果、
人類史に残る仕事をしました。
(でも彼らはそのとき「人類史に残る」なんて意識はあまり無かったでしょうね。)

そういう意味では、Linux開発者であるリーナス・トーバルズ氏も同じです。
彼は自分が自由にできるOSが欲しかったからLinuxを書き始めました。




「人が欲しいと言っているモノ」を提供するのは、
我々凡人にとってもそんなに難しいことではないでしょう。
ヒアリングして、自分の知識と経験から解を出すだけで済みます。
が、「人が思いもよらなかった良いモノ」を生み出すのは至難の業です。


しかし条件を限定すれば「人が思いもよらなかった良いモノ」に到達する可能性は開けます。
彼らのように「自分が欲しいモノ」を突き詰めていくことです。
そうすれば「自分と同じ畑の人が思いもよらなかった良いモノ」にたどり着ける可能性はぐっと広がるでしょう。



私は凡百のプログラマですが、気持ちと姿勢だけは彼らに習おうと思います。



二人の偉大なハッカーに心からの尊敬と哀悼の意を表します。